ジンカップ人気は留まることを知らない。けれど、地元の木材を乱獲することがないよう、また、作家自身の身体を気遣いながら、生産数に上限を設定することで、新規のオーダーは全てお断りされている。
「”オーダーのお問い合わせを断る”。言葉にするのは簡単ですが、精神力が試されるとても辛い作業です。ありがたい想いに押しつぶされそうになるのを耐え続けることになります。」と語るアキヒロジンさん。
そんな状況に手を差し伸べたのが、アキヒロジンさん高校時代からの盟友でもあるONE KILNの城戸さん。ONE KILNは鹿児島市にある陶芸スタジオ。このJincup Ceramicsは、ONE KILNブランドの活動を尊重しつつ、形と生産方法をデザインすることを重視した上で、城戸さんが修行時代を過ごした同じ九州の波佐見で製造されている。
「排泥鋳込み」という生地職人の腕が試される技法を用いている。磁気の粘土をトロトロな泥になるように調整して、型に流し込み、一定時間待って泥をこぼすと、ある程度の厚みで型に残る。こぼす時の泥の切り具合や、待ち時間の調整によって器の厚みや内側に残る形が変化する。少しだけ自然な個性を持った個体に仕上がるのである。
Jincup Ceramicsは、木製のジンカップとは異質である。それでも、作り手の思いには差はなく、むしろ目一杯詰め込まれている。陶磁器製のジンカップならではの良さ(美しさ)を感じながら日々の生活を愉しんで欲しい。木のジンカップが手に入らないからという消去法ではなく。
製品仕様
サイズ: 幅10.0×カップ直径7.0×高さ9.0cm
材 質: 陶磁器
Akihiro Woodworks(アキヒロウッドワークス)
鹿児島を拠点に活動する木工作家。直線から曲線へ、曲線から面へ。力強い立体構築で使う人を作品の中へ引きずり込む。2002年の活動開始以来、オーダー家具制作、オリジナルのプ ロダクト製品の展開、店舗、住宅内装から、インスタレーション作品の発表など、活動の幅を広げ続けている。 現在、「手で作るプロダクトデザイン」をテーマに、新しいカタチを追求しつづけている。
良い物を作れば、良い物を使う人が増える。それを続けてゆくこと。それこそが、より良い未来へ向けて、僕にできる唯一のことだと信じています。良い物の基準を間違わないよう、自分のため、あなたのために。
(アキヒロジンより)