フェミニン

8年ぶりにla feuille(ラフイユ)のプランツジュエリーの取り扱いを再開することになりました。遡ること2015年。芸大教授の友人に誘われ、授業の一環で物販出店のお手伝いをしたことがきっかけでした。学生たちがライブを行う中、当時学生だった中村佳穂さんのゲストライブもあり、その時のご縁で彼女の1stアルバムのリリースイベントにも出店させてもらいました。その時、同じく出店者だったのが、ラフイユのお二人です。

初対面とは思えないほどすぐに打ち解け、2016年にはアクセサリーやアートピースをお店で取り扱うことに。翌年には軒先でイベントを開催してもらい、その後もアート性の高いクリスマスリースやしめ縄を限定で展開していました。ただ、お互いに忙しくなり、次第に一緒に仕事をする機会は減っていきましたが、関係は変わらず続いてきました。
今年、新たなテーマのひとつに「Feminine(フェミニン)」を掲げました。当店は「庭からはじまる内と外」という視点を大切にしているので、本物の植物を使ったアクセサリーはぜひ並べたいと考え、取り扱いをお願いすることになりました。

新テーマとして加えた「Feminine(フェミニン)」についても、少しばかり。
1972年生まれ。「男らしくなさい」「男のくせに」が当たり前だった昭和の時代に育ちました。強靭さや逞しさ、勇敢さ、好戦性、社会性といった「男性的」とされる価値に馴染めず、持病による人との違いも重なり、生きづらさを感じる少年時代を過ごしました。1990年代に入り、「フェミ男」と呼ばれるスタイルが現れ、映画や音楽を通して、自分の感覚と重なる表現に出会うようになります。映画『ひなぎく』や『アリスの恋』に惹かれたのも、その頃でした。
第二波フェミニズムでは、化粧やハイヒールは「抑圧の象徴」として批判的に捉えられる傾向がありましたが、第三波では「それは自己表現であり力にもなり得る」と再解釈されていきます。無骨な軍パンにピンヒールを合わせるような女性のファッションに、強さとしなやかさを感じていました。
1990年代前半にニューヨークで過ごした時間も、大きな転機でした。国籍や性別、年齢に関係なく、対等な関係の中で過ごす心地よさに触れたことで、それまで抱えていた違和感は次第に薄れていきました。ストールのような、いわゆるレディースとされるアイテムも自然に取り入れるようになり、周囲の視線も気にならなくなっていきました。残ったのは、自分にとっての「自然さ」だけでした。
そして現代。これまで見過ごされがちだった違和感や不均衡が社会的な議論として可視化されてきた、いわゆる第四波フェミニズムの文脈の中で、今回店内に増えたフェミニンな要素は、何かを否定するためのものでも、女性だけのものとして提案しているわけでもありません。共感を求めたりもしません。
ただ、こんなオジサン店主の視点が、誰かの心と暮らしに役立ったら嬉しいのです。
2026年4月23日 曇り