店名の由来であるTalking Headsの「Once in a Lifetime」が収録されているアルバム『Remain in Light』。その背景を象徴する存在として、オリジナルブランドWORKS & LABO.で制作した「LP BOX」という道具箱のイメージ写真では、このレコードが一番前に来るように撮影しました。ちなみに、このカッコイイ写真は、友人のStudio Ausgangが撮ってくれたもの。
『Remain in Light』は、ロックを個人表現の器から解放し、リズム、反復、集合性によって成り立つ構造として再構築した作品です。西アフリカ音楽やアフロビートの影響を受け、1〜2小節の短いフレーズを反復しながら重ねていくポリリズム。慣性の積み重ねによって形づくられていく時間感覚を、音楽そのものによって映し出しています。お店のセレクトも、自ら制作しているBGMも、この反復するポリリズムを取り入れて構成しています。
LIFETIMEが目指しているのも、こうした循環のあり方です。人生は前進しているようで、実際には日常の反復の中にあります。一度きりの特別な瞬間を誇示するのではなく、日々の仕事や暮らしの繰り返しの中に、静かな価値を見出すこと。個として際立つことよりも、社会や時間の流れの一部として、心地よく機能し続けることを大切にしています。
「Once in a Lifetime」が披露されるTalking Headsのライブ映像作品『Stop Making Sense』(1984)は、後に私自身がニューヨークで暮らすことになる、その遠因のひとつでもありました。欧米文化に憧れた少年が日本を飛び出し、そこで思い知らされたのは、自分がいかに日本的であるかということでした。日本人として世界を捉え、各地に存在する美しい文化や価値を、製品を通じて紹介したいと考えるようになりました。
ショップの在り方も、ひとつのコンセプトに集約していません。衣服、道具、音楽、植物、空間といった複数の要素が、それぞれ異なるリズムを持ちながら共存するポリリズム。LIFETIMEは、それらが交差し、循環する「場」として存在しています。何度も繰り返される日常の中でこそ立ち現れる、一度きりの感覚。その思想こそが、LIFETIMEというショップのコンセプトとして、根底に流れています。