Beyond Garden - 庭の先に
庭は、家(内)と外の世界(社会や自然)をつなぐ、あいだの場所です。
そこでは、手をかけ、待ち、育てながら、季節の移ろいを受け入れます。
手を入れることで庭は育ち、そして変化していきます。
暮らしを育て、関係を耕し、心を整える場所でもあるのです。
土の香り、風の音、鳥や虫の声。
小さな庭の中には、さまざまな生命の気配が静かに息づいています。
耳を澄ませば、草木の呼吸が聞こえ、その穏やかなリズムが、
いつのまにか私たちの日々を整えてくれます。
庭は、ただ作業をするための場所ではなく、
心をほどき、日々のペースを整える場所。
手を動かし、季節に触れ、変化に寄り添ううちに、
暮らしにリズムと余白が生まれていきます。
そしてこの循環は、日常にも、仕事にも広がります。
ここでいう仕事とは、給与を得るための労働だけでなく、
家事や育児、創造の営み、学生の学びなど、
私たちが時間と労力を注ぐすべての活動を含みます。
庭から得た感覚は、道具を手にする瞬間や衣服を身にまとう瞬間に、
そっと息づき、仕事や学びの時間を支えます。
庭から日常へ、仕事へ、装いへ。 そしてまた庭へと、静かに巡る。
庭のその先にある、豊かな暮らしへとつながっています。