植物のある映画#005
I Hired a Contract Killer(コンタクト・キラー、1991)

I Hired a Contract Killer(コンタクト・キラー、1991)

 フランスで居場所をなくした主人公アンリは、ロンドンへ移住し英国水道局でクソ真面目に働いていました。職場で誰とも交流がなければ(持とうとすらしない)、家族も恋人もなく、唯一の癒しが鉢植えの水やりという、孤独を絵に描いたような人生。そんな彼に突然の解雇通告が下る。人生に絶望して自殺を図るも、ことごとく失敗に終わり、闇の組織に自分の殺害を依頼するのです。しかし、何気なく入った酒場でバラを売りの女性マーガレットに一目惚れしてしまいます。生きる希望を抱きはじめるも、殺し屋から必死に逃げ回るという物語。90年前後のイギリスの経済や移民問題に触れ、終盤のマーガレットの「労働者階級に祖国はない」というセリフに象徴されるように、労働者階級の悲哀を、カウリスマキ映画には欠かせない恋と酒と煙草と音楽とともに、ユーモアたっぷりに描かれている本作。文字にすると壮絶なサスペンスなのですが、そこはアキ・カウリスマキ監督と、主演のジャン=ピエール・レオ、シリアスな感じは一切なく、終始コメディ映画として楽しませてくれます。ほぼ脈略もなく、カウリスマキ本人が出演してたり、クラッシュのジョー・ストラマーがバーで演奏してたり、やりたい放題ってのも笑えます。

I Hired a Contract Killer(コンタクト・キラー、1991)

I Hired a Contract Killer(コンタクト・キラー、1991)

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