植物のある映画#004
L'Écume des jours(ムード・インディゴ、2013)

L'Écume des jours(ムード・インディゴ、2013)

 原題のとおり、ボリス・ヴィアンの青春小説『日々の泡』(別題『うたかたの日々』)を原作としつつも、ミシェル・ゴンドリー監督の独創性豊かな独自の世界観で映像化された作品。パリに暮らす若者たちを描いた青春物語で、主要登場人物が全員個性的。SFファンタジーのようにドリーミーに始まるのですが、フランスのエスプリの利いたロマンチックな恋愛映画と誤解のないようご注意を。ヒロインのクロエが肺の中に睡蓮の蕾ができる奇病に侵され、医者指示通りに彼女の周りに花を絶やさない主人公コランは、やがて病気、お金、仕事、人間関係に悩まされるのです。社会風刺を取り入れ、色褪せた結末へと向かっていく物語と映像は不気味にさえ感じます。とはいえ、ビョーク、ホワイト・ストライプス、ベック、レディオヘッドなど多くのビデオクリップで評価が高いミシェル・ゴンドリー監督による本作、ポップでカラフルな前半の演出も、もちろん見どころの一つです。また、冒頭から「Take the A Train(A列車で行こう)」が流れ、ヒロインの名「Chloe(クロエ)」。ジャズ界の巨匠デューク・エリントンなくしてはこの映画の楽しみは半減するほど密接に関わってきます。後半、ボビー・フュー本人出演で「Sophisticated Lady」をカクテルピアノで弾き語るシーンは圧巻。ジャズと映画という切り口でもおすすめした映画です。

L'Écume des jours(ムード・インディゴ、2013)

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